■内科 睡眠時無呼吸症
●睡眠時無呼吸症
「毎晩ちゃんと眠っているはずなのに眠い」
「疲れがとれない」と相談を受けました。
初期症状が「倦怠感」や「不眠」の病気というのは
意外とたくさんあり、病気の種類や原因もさまざまで
肝臓の機能が低下しても、腎臓にトラブルがあっても
倦怠感はでてきます。また『更年期』や『うつ病』も
考えられるのですが、これらの症状に「微熱」や「寝汗」
が加わると、感染症や結核なども疑ってみないといけません。
しかし、こうした症状は特になく、血液検査の結果も
肝機能、腎機能ともに正常、という場合もあるわけで
相談を受けた方もそういう症状でした。
その方には肩凝りもあったので、まずはそちらの
治療をはじめてみると‥
ベットにうつぶせになるとすぐに寝息が聞こえてきました。
最初は音も軽く、規則正しかったのですが、だんだんと
「ぐーー、‥‥‥‥‥‥‥‥‥かっ!」と音は大きく
たびたび呼吸が止まる音がまじりはじめました。
治療が終わり、話を聞いてみるとやはり
「ああ、起きたらいつも口が乾いてます」との事。
家族にいびきがうるさいと起こされることも
あるそうで、また以前から副鼻腔炎で鼻づまりが
あったことなどから、もしかしたら『睡眠時無呼吸症』
かもしれませんよ、とお話ししました。
『睡眠時無呼吸症』とは(定義)
(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上
または、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上
起るとこの病気といわれています。
『睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)』
では、睡眠中に無呼吸の状態が断続的に繰り返されるため
十分に睡眠がとれず、日中の眠気、集中力、活力に欠ける、
居眠りがちになる、など、居眠り運転や事故なども起こし
やすくなります。
実際に呼吸を止めてみると辛いことがわかります。
もし、睡眠時無呼吸症であるならば、
いくら睡眠時間はとってるつもりでも、
体は休めてませんから疲れもとれないはずです。
「どうすればいいんですか!?」ということで
まずは自分でできる対処法を試してみてもらいました。
それは、気道を少しでも広くし呼吸しやすくする
そのために『横向きに眠る』というものです。
ですが眠っているとき無意識下ではそうもいきません。
そこで、タオルを巻いたものや抱き枕などを
軽く背中に背負う体勢で固定してもらいます。
すると仰向けになろうとしても枕がじゃまで
仰向けになれず、自然に体は横をむきます。
その方法を試してみたら、眠れたそうで
次の朝、わざわざ「疲れがとれた感じがしますー」と
うれしそうに報告にきてくれました。
こちらも朝からうれしい気持ちになった一日でした。
※鼻のとおりを良くするという方法もあります。
(この方はその器具があわなくてできなかったそうです)
※体質や症状により、横向き寝の方法が合わない場合もあります。
※治療をせずに放置しておくと生命に危険が及ぶ場合もあります。
症状の重い方は、病院にて適正な症状分析と診断、治療、予防
などの対策が必要です。まずはご相談ください。